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火入れ(ひいれ)とは、醸造した酒を加熱して殺菌処理

火入れ(ひいれ)とは、醸造した酒を加熱して殺菌処理を施すこと。火当て(ひあて)ともいう。火入れされる前の酒は、まだ中に酵母が生きて活動している。また、麹により生成された酵素もその活性を保っているため酒質が変化しやすい。また、乳酸菌の一種である火落菌が混入している恐れもある。これを放置すると酒が白く濁ってしまう(火落ち)。

そこで火入れにより、これら酵母・酵素・火落菌を殺菌あるいは失活させて酒質を安定させる。これにより酒は常温においても長期間の貯蔵が可能になる。しかし、あまり加熱が過ぎれば、アルコール分や揮発性の香気成分が蒸発して飛んでしまい酒質を損なう。そのため、これも加減が難しい。現在は通常は62℃ - 68℃程度で行なわれる。

火入れの技法は、室町時代に書かれた醸造技術書『御酒之日記』にもすでに記載され、平安時代後期から畿内を中心に行なわれていたことがわかる。これはすなわち、西洋における細菌学の祖、ルイ・パスツールが1862年に加熱殺菌を発見するより500年も前に、日本ではそれが酒造りにおいて一般に行なわれていたことになる[注釈 1]。

明治時代に来日したイギリス人アトキンソンは、1881年に各地の酒屋を視察、「酒の表面に“の”の字がやっと書ける」程度が適温(約130°F(55℃))であるとして、温度計のない環境で寸分違わぬ温度管理を行っている様子を観察し、驚きをもって記している。


火入れと「生酒」の関係 [編集]
火入れをしていない酒は「生酒」「無濾過生原酒」などとして人気がある。たしかにそういう「生」系の酒はみずみずしく、香りも若やいで華やかであり、また残存する微発泡感はのど越しもよく、それなりの商品価値がある。

しかし、一般にもたれている次のようなイメージはほとんど誤りである。

生酒は、火入れをしていないので、それだけ新鮮さが保たれている。
火入れは、酒の若さを失わせる工程である。
生酒は、蔵で飲めるしぼりたての新酒の味である。
火入れをしなければ劣化が早く、すぐに生老ね香を発する。正しい保存管理をしていない飲食店などでは、劣化した酒を5℃前後まで冷やし、冷たさでわからないようにして出しているところも多い。ゆえに火入れとは、かえってその酒の新鮮さを長く保つために行なう工程であるという人もいる。「生」系の酒の味は荒々しく、貯蔵・熟成を経た酒が持つ旨みやまろみ、深みに欠けるため、おおざっぱな言い方をすれば、筋金入りの愛飲家のあいだでは一般に火入れの工程を経た酒の方が好まれる傾向がある。しかし正しい保存管理をしていない「生酒」を飲んでいるために保存管理が楽な火入れされた酒が好まれているという面もある。火入れをすると酒の繊細さが失われるのは事実であり、保存管理さえ徹底されていれば火入れした酒にはない味わいがあることを忘れてはならない。
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刺身に代表される「生」の食文化圏である日本では、新鮮であることが抜きん出て好まれる。また日本の日本酒業界は、「生」や「辛口」で売り上げを伸ばしたビール業界の影響を受けやすい。それらの要因から、日本酒も上記のような「生」と銘打った商品が1980年代から増えてきたのであった。

そうした状況を「生酒ブーム」という表現で切り捨てる酒類評論家も多く、また近年の日本酒の消費低迷と関連づけて具体的な苦言を提している識者もいる

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2009年06月13日 12:30に投稿されたエントリーのページです。

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